危険なカーチェイスを減らし逮捕の可能性を高めるStarChase

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2013年12月25日 -- Mr. Union

猛スピードで逃走する車両とそれを追うパトカー、アメリカのニュースで時折目にする光景だ。他の車両、時には歩行者までも巻き込みながら逃走する車 の存在は非常に危険であるが、米企業が開発した新たなデバイスを活用することでこの危険なカーチェイスを減らそうという動きが米企業に広がっている。

パトカーのフロントグリルから発射する追跡用GPSデバイス、StarChase

米 スターチェイス(StarChase)社が開発した逃走者追跡用のGPSデバイス、StarChaseはパトカーのフロントグリルから圧縮空気を 用いて発射される。逃走車に付着した送信機は、携帯電話のネットワークを用いて位置情報や移動速度等をウェブサーバーに送信する。

StarChaseの仕組み

Image via StarChase

警 察はこの情報をウェブサーバー上で確認することで、危険な状況下で逃走車を追跡する必要が無くなる。システムはパトカー一台あたり約5,000ド ル(約50万円)、GPS送信機(いわゆる「弾」)は一つにつき約500ドル(約5万円)と、コストについても現実的な範疇に収まっている。

ア メリカでは年間10万件以上の追跡(カーチェイス)が発生しており、5万人以上が負傷、360人以上の警官および一般市民が死亡しているという。 また、追跡中の事故による保険金、医療費、従業員補償や逸失賃金は13億ドル(約1,300億円)にも達し、経済的な損失も非常に大きい。

しかしながら、追跡の85%が交通違反等の非暴力的な犯罪に対するものであることから、StarChaseを活用することで危険および経済損失を抑えることができるという。

逃走者の油断により、確保しやすくなるという利点も

もう一つの利点として、逃走車が油断することにより警察が犯人確保を行いやすくなるという点が挙げられている。

パ トカーから発射されたGPS送信機が正常に逃走車についたことが確認できれば、パトカーは速度を落とす。そうすると逃走車はパトカーが追跡を諦め たものと勘違いし、スピードを落として往来の中に紛れようとする。FBIのデータによれば、この様な行動を取る逃走車は約75%に達するという。

実際には逃走車の位置情報はウェブサーバを介して常に確認されているわけで、油断してスピードを落としている逃走車を警察は難なく捕まえることができるというわけだ。

StarChaseを採用している警察のデータによると、逃走車が法定速度の10マイル以内まで速度を下げるのにかかる時間は平均1分45秒、これまで死傷者や物損は無いという。また逮捕率は80%を超えるとのこと。

各州警察への導入が進むStarChase

現在、このStarChaseを採用しているのはアイオワ州、フロリダ州、そしてテキサス州の3州。今後他の州の警察にも導入が進むものと考えられるが、一部の人権団体からは装置の乱用による人権侵害を懸念する声が挙がっている。

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