財務省、財政出動に反対 – 景気刺激策よりも財政調整

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2012年10月12日 -- Mr. Union

10日付の日本経済新聞によると、財務省の中尾武彦財務官は同日、都内で開いた国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会のセミナーにおいて、日本の財政の在り方について、「財政再建を先延ばしするわけにはいかない。強力な財政調整が必要だ」と述べた。(参考 : 中尾財務官「財政再建を先延ばしするわけにはいかない」

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日本は2020年までに基礎的財政収支を黒字化させる目標を持っており、各国の債務残高(対GDP比)をみても、日本は200%を越えており、先進国で突出している。(参考 : 債務残高の国際比較(対GDP比)

財政再建を強硬に進めようとしている民主党政権と、財務省ではあるが、IMFは異なる見解を示しているようだ。ブランシャール経済顧問兼調査局長は、9日記者会見を開き、「財政再建をあまり急ぐと世界経済にとって好ましくない」と、ロイターは報じている。(参考 : 日本は低金利ゆえ急激な財政再建の必要ない=IMF調査局長)ブランシャール氏は、「日本についても、すでにゼロ金利状態が続き、金融政策の効果が薄いことや、低金利による利払い負担は小さいことなどから、急激な財政再建はかえって好ましくない」との考えを示したという。

野田首相は、消費税増税に、「政治生命を賭ける」と発言していたが、先ごろ成立した社会保障・税一体改革関連法案には、附則18条として、「名目3%、実質2%の経済成長率」を増税の条件とする景気弾力条項が盛り込まれている。(参考 : 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」の概要

景気弾力条項があるとされるにも関わらず、民主党の岡田副総理は、「経済成長というのは、今回の消費税引き上げの条件ではございません。」と5月の副総理定例会見で明言している。

社会保障・税一体改革関連法案の附則18条があるにも関わらず、経済成長が条件とならない、つまり景気弾力条項になっていないという岡田副首相という答弁がまかり通るのか。衆議院議員の平智之氏は、3月30日付のブログにて詳細に言及している(参考 : 放射能も消費税も)。結局、附則18条を曖昧な記述にすることで、経済成長を条件としない解釈をすること可能にしている。

安倍自民党総裁は、6月27日付のメールマガジンにて、下記のように、述べている。

報道等ではあまり触れていませんが、現在のデフレ下では消費税を引き上げず、法案には引き上げの条件として名目経済成長率 3%、実質成長率2%を目指すという経済弾力条項が盛り込まれています。つまり現在のデフレ状況が続けば、消費税は上げないということです。しかし、野田 総理のこれまでの委員会答弁は、この点があいまいであると言わざるを得ません。要は民主党政権を倒し、デフレからの脱却を果たし、経済成長戦略を実施して 条件を整えることが大切です。そして、「その条件が満たされなければ消費税の引き上げは行わないこと」が重要です。

安倍自民党総裁は、強硬な財政再建に否定的な考えを示し、経済成長戦略を実施し、条件を整えることの重要性を説いている。しかし、流動性の罠に陥っている状態で、デフレも克服していない中で、民主党政権と財務は官僚は、財政再建を強硬しようとしている。

マニフェストにもなかった消費税増税を進め、財務官僚の言うがままの民主党政権の一体、どこが政治主導なのだろうか。

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