麻生財務相定例会見 – 政府・日銀の連帯強化について検討中

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2013年1月19日 -- Mr. Union

1月18日、財務省で、麻生太郎財務大臣兼金融担当大臣の定例会見が開かれた。総理の指示を受けて、甘利経済再生担当相、甘利大臣と一緒に、日銀の 白川方明総裁と会談し、政府と日本銀行の間の連帯強化の仕組みについて検討している事を明らかにし、「文書等はこれから後に出てくる」と述べた。

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安倍政権が、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、そして「民間投資を喚起する成長戦略」を3本の矢として、財政出動とセットにし、日銀に対して、インフレターゲットを設定するよう申し入れをしているのは、「マンデルフレミングの法則」を踏まえての事である。

「マンデルフレミングの法則」(kotobank引用)

財政赤字が拡大すると実質長期金利が上昇し、設備投資や住宅投資が減少する(クラウディング・アウト効果)。また、実質長期金利が上昇すると国内へ の資本流入圧力が生じて自国通貨が増価し、輸出が減少して輸入が増加するためGDPが減少する。よって、変動相場制のもとで景気回復や雇用を増やすには、 財政政策よりも金融政策が効果的だという理論。ロバート・A・マンデルとJ・マルコス・フレミングが1963年に発表、1999年にノーベル経済学賞受 賞。

日本は、戦後から固定相場制であったが、1971年のニクソンショックをきっかけにして、1973年に、日本を含む先進国は、固定相場制(金本位 制)から変動相場制へと移行した。固定相場制では、財政出動が効果的であるために、日本は、土木・建築含む公共投資を軸とした財政出動によって、不況を乗 り切ってきた。しかしながら、変動相場制へ移行すると、財政出動の乗数効果は、固定相場制と比べると、「マンデルフレミングの法則」によって、薄れてしま う。

1985年にプラザ合意が成立し、当時の日銀は、円高不況を回避するために、金融緩和政策を実施、バブル経済となる。更に米国からも内需拡大の要請 があり、財政出動も実施された。その後、大蔵省(当時)の土地関連の融資の総量規制、日銀の金融引き締めによっては、信用収縮が一気に進み、更に消費税増 税も重なって、経済状況は、極度に悪化した。

以降も、日銀の協力がない状況では、財政出動しても、円高基調で、輸入が増え、GDPが目減りしてしまい、効果が余り出なくなってしまう。従って、 小渕内閣、麻生内閣でも結果が残せなかった。また、竹中平蔵氏らが進めた小泉内閣では、徹底した規制緩和を進め、財政削減を進めても、デフレ環境下では、 金融政策のみでは、結果を残すことはできなかった。

今回の安倍内閣は、従来の歴代内閣の取り組みの結果を、踏まえた上で、財政・金融政策の両輪で、経済の再生を図ろうとしている。日銀に協力を要請する事で、大胆な金融緩和に踏み込み、財政出動の乗数効果を維持させるのが狙いである。

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