1月29日、米国のオバマ大統領は、シリア向けに1.55億ドルの追加人道支援を発表した。シリアに対する人道支援の総計は3.65億ドルに達し、 人道支援の規模としては、最大の供与国となるという。2011年から始まったシリアのアサド大統領の反体制運動への弾圧は、女性・子供を含む4万人以上の 死者、約250万人の国内避難民及び50万人以上の国外におけるシリア難民の発生という深刻な人道・難民危機を引き起こしている。
オバマ大統領は、米国は、世界の各国と一緒に、アサド大統領の体制を終わらせ、シリアの民主化への移行を求めてきたと述べた。そのために、 米国は、アサド大統領と現体制を孤立させ、経済制裁を課し、「シリア反体制派会合」(Syrian Opposition Coalition)を、シリアの人々の正当な代表である事を承認し、虐殺の加害者に対する説明責任と、困窮するシリアの人々に対する人道援助の提供を求 めるよう、働きかけてきたという。
オバマ大統領は、米国の人道援助は、単なる『メイドインアメリカではない』」と強調し、「援助はアメリカ国民のコミットメントを反映させたものであ り、アメリカの援助とは、数百万人の人々のための食料やきれな水であり、アメリカの援助とは、ダマスカス、ダルアー、ホムスの数十万人の人々のための薬や 治療である。アメリカの援助とは、100万人のシリアの子供たちの予防接種であり、アメリカの援助とは、アレッポ、ホムス、デリゾールの50万人以上の 人々のための水の供給である。アメリカは、同盟国や協力者との取り組みを通じて、困窮する人々に対して、援助を提供していく」と述べた。
更に、今回、新たにオバマ大統領が承認した1.55億ドルの人道援助には、子供向けの衣料、高齢者向けの薬、小麦や小麦粉、毛布、ブーツ、ストーブといった物資も含まれるという。
日本政府は、昨年11月13日に、シリア反体制派会合が設立した「シリア国民連合(National Coalition for Syrian Revolutionary and Opposition Forces)」を歓迎するという外務大臣の談話を発表しており、昨年12月13日にモロッコにて開催された第4回シリア・フレンズ会合では、浜田外務政 務官が下記のステートメントを行っている。